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先日、夏季休暇を利用し初めてヨーロッパを旅行しました。
街並みをみながら、やはり日本とは全く異なる風景が非常に新鮮でした。
そしてそのようなヨーロッパの魅力を感じると同時に、日本の特徴や良さも再認識。
こちらにとってあちらが新鮮であれば、あちらにとってもこちらは新鮮なのではないか。
私にとってヨーロッパの街並みがそうであったように、外国人観光客にとっても、京都のような街並み、神社仏閣などは日本的風景、日本的情緒として印象に残るだろうと・・・
ちなみにマーケティングコンサルタント高橋克典さんは、観光地だけでなく、田舎の田園風景であっても、外国人にとっては魅力的だと、ご自身の体験から語っています。
<高橋克典コラム 日本の田園風景に感動!?観光資源がなくても人は来る!」>
文化が違えば生活様式や街並みも変わります。異なる文化圏に足を運べば、街を歩くだけでも楽しいです。
そんなことから日本もまだまだ捨てたもんじゃない!と自分の国がまた好きになったのですが、その最中、小西美術工藝社社長デービッド・アトキンソン氏の記事を読みました。
<東洋経済オンライン 外国人が心底ガッカリする「日本の旅館事情」>
なんともショッキングなタイトル。
温泉旅館こそ「ザ・日本観光」と思っていた私にはとても意外でした。
内容としては、旅館の仕組みが外国人観光客のニーズにマッチしていない、という外国人の立場ならではの指摘です。
言われてみれば確かに納得。
近年、訪日外国人観光客数は増え続け、昨年は2400万人を超え、国としてインバウンドに力を入れているのは広く知られているところですが、一方で意外とこうしたミスマッチがあることは知られていない、気が付かないのではないでしょうか?
そんな話を知って思い出したのが、株式会社ジャパンインバウンドソリューションズ代表取締役社長・中村好明さん。
ドン・キホーテのインバウンド責任者を務めた際、そうした観光客の課題に気付き、インバウンド売り上げを10億円からわずか5年で400億円へと急拡大させた人物です。
ドン・キホーテは深夜も営業しており、夜も遊びたい観光客の需要を取り組んだというのはありますが、それだけではなく様々な工夫がありました。
例えば「ようこそ!マップ」と呼ばれるエリアマップ。
当初は、ドン・キホーテの店舗とホテルの位置を記載しただけの地図だったそうですが、ニーズにあわせ、会社の垣根を越えて地域で連携し、街のグルメ情報や観光情報も盛り込んだ一大マップとなりました。
その他にも、多言語対応の接客シートと音声ペンを導入するといった取り組みも。
ドン・キホーテの店舗にいくと、多言語でアナウンスが流れます。
それだけではなく私たちの知らないところで、実は様々な外国人観光客向けのサービスが登場しており、それらがインバウンド売上に繋がっていたのです。
中村好明さんが伝えるポイントは、地域で連携し「点から面」でインバウンドに取り組むことの大切さ。
現在は、日本を観光立国とすべく、全国の自治体や企業とのネットワークづくりに現在積極的に取り組んでいます。
夏休みシーズン。国内外様々な場所に旅行に行かれる方も多いかと思います。
旅先での楽しみとして、観光客をもてなすために、地域がどのように連携しているのかに注目してみると、また違った町の魅力や想いが見えてくるかもしれません。