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2017年10月 アーカイブ

2017年10月13日

『逆転人生』湯澤剛さんと、「やらないことを決める」決断

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先日NHK『逆転人生』で、湯澤屋の湯澤剛さんの逆転劇が紹介されていました。


急逝した父の会社を急遽引き継ぐことになった湯澤さん。


やむなく社長になってふたを開けてみると、なんと40億円の借金が。

銀行からは返済に80年かかると言われる中、大変な苦労の末、16年で完済します。


番組ではその壮絶な過程がドラマ形式で再現されていますが、

最後のご本人登場では、思わずぐっときてしまいました。


一瞬にして40億の借金を抱えてしまった湯澤さんが最初に行ったことの1つに、

不採算事業のからの撤退がありました。


当時同社は、居酒屋、カラオケ店、雀荘など、様々な事業を展開していました。

しかしほとんどの事業は利益が出ていませんでした。 


そこで湯澤さんは、事業を利益の出ていた居酒屋に絞り、

また採算のとれない店舗を閉める決断。


そして地元に愛される店舗づくりのため、ハード、ソフト面で様々な施策を行い、

借金返済へ向かって地道に進んでいきます。


このエピソードを観て、タニタとヤマトを思い出しました。 


ヘルスメーターで世界一のシェアを誇るタニタ。


タニタは元々「量り」のメーカーでしたが、そのほかに

ライターや電気ポット等も製造していました。


しかしライター事業は、100円ライターの登場により価格競争に晒され、

また電気ポットも競合の参入により厳しい経営状況に陥ります。


こうした時代の流れの中で、当時の社長・谷田大輔さんは、

当時採算のとれていた体重計事業に絞り、他の事業からの撤退を決断します。


電気ポットに関しては、

製造中止後も返品・交換の対応に追わる状況が続いたことから、

製造設備ごと他者に譲ってしまったというのですから、驚きです。


しかし体重計に絞ったこの決断から、

体脂肪を計る「ヘルスメーター」という商品を生み出し、

タニタは世界広がります。


続いて、宅急便のヤマト。

宅配事業を始める前は、他の運送会社同様、商業貨物を運んでいました。


こちらも業界の競争に晒され経営危機に陥る中で、

生き残りをかけた差別化のため、当時他社が一切手を出していなかった

宅急便事業に挑戦することを決断するに至ります。


しかもその際同時に、まさかの商業貨物の取引をやめてしまいます。

宅急便事業が、まだ軌道に乗るどころか、始めたばかりにも関わらずです。


まさに背水の陣。

結果、宅配事業で圧倒的な地位を築きます。


ブランディングの専門家であり、プロ経営者である高橋克典さんは、

「経営者の役割は、"やらないことを決めること"」

と言います。


規模や時代は違えど、湯澤屋、タニタ、ヤマトのいずれの逆転エピソードにも

やらないことを決める決断がありました。


変化する時代の中で、環境が変化していることは分かっていても、

今まで続けていたことを辞めるのは不安で勇気のいること。

だからこそその決断は、トップである経営者に委ねられます。


 「やらないことを決める」。


経営者の決断だけでなく、働くすべての人の

日々の仕事や人生の過ごし方にも参考になる視点です。


ちなみに冒頭でご紹介したNHK『逆転人生』の湯沢さんの回、

10/15(日)17時から再放送があるようです。

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92907/2907070/index.html


単なる企業再生のお話ではなく、大きな困難を乗り越えた湯澤さんの人生、

そしてそれを支えた続けた奥さんのお人柄を感じ、胸を打たれる内容です。


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