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「母さん、ぼくのあの帽子、どうしたでしょうね」不朽の優作と名作の秘話が、語られる!!


埼玉県の某図書館主催で開催された作家の森村誠一先生の講演会、ご自身も埼玉県出身ということで、開場前から行列もできるほど超満員となりました。当初、90分講演ということでしたが、森村先生の強いご希望で120分間に変更。その理由が、森村先生曰く「伝えたいことがたくさんあって、本当は2時間でも足りないくらいですよ。(苦笑)」と。


講演テーマは、『人生と小説』。
作家の条件、言葉の多様な機能性、文芸の意味、著書『人間の証明』の執筆エピソード等、貴重なお話が目白押しで、あっという間の120分でした。


小説とは人との出会い、価値観や文化との出会いを生み出すものであり、そこでの一期一会、つまり同じ空間、時間を共有できたことを大切にしなければならない。
講演というきっかけを通じて、出会うことができた聴講者とも、今後、一生会うことがない方がほとんどだと思われます。
または、別の場所でお目にかかるかもしれない。
しかし、その時にはお互い全く別の個人となっているはずです。


よって、その一瞬一瞬を大切にして、学び得たこと、その時に湧き出てくる感情や気持ちを大事にしましょうと訴えておられました。


最後に、講演の中で私が一番印象に残っているお話を1つ。
「“事実は小説より奇なり”。 
これは、小説家として決して認めることができないことです。
認めると小説家の敗北となります。
言葉=文化であり、全ての物事に言葉は関わっています。
小説はフィクションですが、その虚構性の中に真実を求めるものです。
しかし、事実は全てが真実とは限らないですよね。」


私は、この強いメッセージを聴いた時、体中が震えました。
講演の帰路、書店で森村先生の新たな著書を購入したことは、言うまでもありません。


小林孝至


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2008年3月28日 10:10に投稿されたエントリーのページです。

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