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先日、元日本テレビアナウンサーの藪本雅子さんの講演会に同行してきました。
茨城県常陸大宮市社会福祉協議会が主催の講演会で、地域のボランティア団体の方々に広くお声掛けをされており、会場は満員御礼となっておりました。
ちなみに常陸大宮市は4年前に4つの町村が合併してできた市で、空気は素晴らしく、会場も建設されたばかりのとても近代的な雰囲気でした。
さて今回の藪本さんのお話の演題は、『ボランティアってなんだろう〜取材現場より』。
藪本さんといえば、日本テレビアナウンサー時代の印象が強い方もいらっしゃるはず。
講演会では、当時アナウンサーとしての華やかな一面があった一方で、実は接食障害、人格崩壊の危機に直面されていたことを告白されました。
アナウンサーとしての目標を見失ってしまい、生きている価値さえ見出だせなくなってしまった時期があったのだと。
ただ、そこで逃げ出してしまったら自分に負けてしまう、何も残らないという強い気持ちで必死に闘い続けけたことで、結果として新たな目標を見出だすことが出来たのだとおっしゃっていました。
その後、報道番組をきっかけに出会ったハンセン病患者への取材というものが、藪本さんを大きく燃え上がらせたと言います。
アナウンサーから取材記者への転向を決意されたのもこの時期で、藪本さんの仕事人生を大きく変えた出会いであったことを強調されていました。
藪本さんが熱く語られたハンセン病患者の実体を耳にした聴講者の中には、その壮絶さゆえに涙する方も多くいらっしゃるほどでした。
取材記者という立場を離れた現在、藪本さんはハンセン病の実体を一人でも多くの方に知ってもらおうと精力的にボランティア活動をされております。
ボランティアは、人と社会との掛橋であり、同時に自己実現を果たすためのものでもあるとおっしゃっていました。
自身の壮絶な取材体験から始まったハンセン病と藪本さんとを結びつけるもの、それが正にボランティアという形で現在も深く結ばれているのです。
「生きる価値さえ見出だせなかった苦悩の状況をいかに乗り越えることができたのか」
「目標を持って生きることがいかに大切であるか」
「日本に残された人権問題の真実とは」
「ボランティアとは何か」・・・
「藪本雅子」という生き方がぎっしりと凝縮された講演会、心から御薦めします。