先日、歌手の橋幸夫さんの講演会に同行して参りました。
橋さんは平成元年に、認知症となった実の母と橋幸夫一家の物語を描いた「お母さんは宇宙人」の発売をきっかけに、日本の老人医療、介護問題・教育問題について全国各地で講演をされていらっしゃいます。これまでには全国700箇所を講演会で訪れたといいます。
この日は、教職員の方々を対象にした講演会で、ご自身の子育ての体験談を交えながら日本の未来を担う教育のあり方についてお話下さいました。
子供の自殺が増加している現状、大人たちによる不祥事など、
「まずは我々大人が現実を謙虚に受け止めることから始めなくてはいけません」
という冒頭での力強いメッセージに橋さんの強い思いを皆様が感じられたのではないでしょうか。
嘘偽りのない尊敬のできる大人の存在こそが子供にとっては必要であること、子供たちを守っていくためには家族・学校・地域の大人たちが一体となって、それぞれの立場で知恵と工夫を出していくこと、そして家族のあり方についても、よりより夫婦関係から親への崇高な尊敬心が子供には生まれてくるのですとおっしゃっていました。
そして特に強調されていた点が、「感謝の気持ち」をひとりひとりが大切にしていくということ。謙虚に現実を受け止めて、出会い・家族・友人・いのち、あらゆるものに感謝の気持ちを持つことで心の豊かな社会へと変えていけるというメッセージでした。
橋さんはご自身の母の介護体験から、人間とは何かを考えるようになったといいます。
還暦を迎えられ、これまでの波乱万丈な人生から生きることの本当の意味を見出されており、家族・介護・医療・教育など、今社会に訪れている様々な問題と真剣に向き合っている橋さんのお言葉を、是非一度生で聴いていただきたいです。