先日、富山で開催された
木村大作さんの講演会に同行致しました。
当日は、会場300席が満席に。
「僕はね、講演でマイク使わないんですよ!
マイクあると、下向いちゃって、
お客さんの顔が見えなくなっちゃうでしょ!」
お客さんの雰囲気に合わせてお話する木村さん。
"地声"の本気の講演です。
木村さんは、長年にわたって
映画界の最前線で活躍し続け、
日本アカデミー賞は、最優秀撮影賞をはじめ、
20回以上受賞しています。
競争の激しい映画界で、
何故、木村さんは生き残ってこれたのか。
その裏には、
「非常識に生きる」
という人生哲学がありました。
木村さんの撮影手法はとにかく型破り。
今年6月に封切られた
最新監督作・『春を背負って』では、
標高3000mの立山連邦に、
スタッフ、俳優陣にも、
自力で登ってもらい撮影。
CGを一切使わない"本物"を撮ります。
「本物の自然と過酷な環境の中にこそ美しさがある。
だったら行くべきでしょ!」
とにかく良い映像を取るために、妥協を許しません。
しかし、そのこだわりが故に、
若い頃から、監督やスタッフと衝突することもしばしば。
50代は仕事がなくなり、
交通整理のアルバイトをしたといいます。
「映画界の95%はオレの敵!
でも5%の味方がいる。
5%いれば映画は作れます!」
キャメラマンとして仕事が来ないなら、自分で撮る。
こうして挑んだ初監督作『剱岳-点の記-』は、
230万人を動員し、大ヒットとなりました。
「非常識じゃなきゃものは売れない。
そのためのケンカを恐れちゃいけないよ!」
どんな状況でも
常に自分の道を貫き続ける木村さん。
話の内容は一個人の体験談。
しかしそこには、
とてつもない人生哲学が滲み出ます。
会場のお客さんに
質問を振りながらお話する木村さん。
聴講者の心をとにかく熱くする講演です。