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1995年の暮れ、私は起業に向けて社名を考えていた。
事業内容は新聞広告代理業とスポーツマネジメント業である。
はじめてつける社名はなんだか子供に名をつけているような気分で、ただ単に業務内容に合わせてつける気にはなれなかった。
まだ、子供をつくった経験もないくせに。
からだを絞るように、また絞るように考え考えてまた考えて、その結果これまで自分が一番考えてきたことを社名にすることに決めた。
当時28歳。
この28年間のうちで、私が一番考えまた意識してきたことは、人であることが分かった。ヒトってなんだろう、なんで悩むんだ、俺もかなり悩んできた。不安もいっぱいあった。どうして悩み不安を持つんだ、人は、人ってどこからきたんだ、などなど。
なんだかゴーギャンのようでしょ。
それから候補選びに入る。
Person、Persons、Persona、ヒト、人。
Person、Persons、Personaはすでに使われていて、かついまひとつしっくりとこない。株式会社ヒト、株式会社人、はどうもな。
そこで、大学時代に第二外国語として選択をしていたフランス語に目を転じることにした。辞書を引いてみると「Personne」という単語に目が留まった。意味は人。
これだ!
Personneという文字の羅列(とくにnがふたつ重なるのがよし、coolだ)にも一目惚れし、これをペルソンと読ませることで社名とすることにした。
中編につづく。
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