確か32、3歳の頃だったかと思う。
あー、仕事ってそういうことか、と腑に落ちて理解できたのが。
これは、これまで何か詰まっていたものがスーっと、抜けたような
感覚でもあり、同時に仕事の「質」が実感として格段に上がった
タイミングでもあった。
13年くらい前の話になるが、
うちに長くご登録して頂き、数多くの講演をして頂いている、
臨床スポーツ心理学者の児玉光雄さんが、講演会で仕事の「質」について
こんなことを語られていた。
量質転換という言葉があります。これは、量をこなすと、
ある時にそれが質へと転じるという意味です。
これはどのアスリートにも当てはまることであり、
ビジネスの世界でも言えることです、と。
逆に、質質転換はありえない。つまり、
初めから質や効率性を求めても、質へは転換しません。
振り返ってみると、私も20代後半から30代前半の時期に、
1日24時間仕事をしていた時期があった。
もしかすると、この量が32、3の時に質へと転換したのかもしれない。
当時は余計なことを考えずに、ただただ我武者羅に仕事をしていただけ
なのだが、この年になってみると本当によかったと思う。
やはり、50歳を過ぎても質の伴わない仕事をしているのは格好の
いいものではないからだ。